模型を作るのが仕事?建築模型士とはどんなことをしているの?

公開日:2022/11/15   最終更新日:2022/12/27

建築模型士とは、商業施設や住宅を建てる際に、建物のミニチュア模型を作る人のことです。場合によっては、家や施設だけでなく、街全体の模型を作ることもあります。建設において欠かせない仕事ですが、具体的な仕事内容はあまり知られていません。今回は、模型建築士の仕事内容や向いている人の特徴についてご紹介します。

建築模型士とはどんな仕事?

建築模型士の仕事は、建築士などの設計士が作成した設計図をもとに、街のジオラマや建物などの模型を作ることが仕事です。建物を設計図などの図面で見るよりも、ミニチュア模型で見た方が建物のイメージはつきやすくなります。

ミニチュア模型を見ることにより、住宅を購入する人は自分が住む家の要望や質問を的確に設計士の方に伝えることが可能です。また、住宅内の動線などをシミュレーションしやすくなるため、設計士にとってもミニチュア模型は重要です。また、建築模型は目的によってさまざまな種類があります。

スタディ模型

建築士や設計士が、製作中の建物の検証などで使うための模型です。図面では分かりづらい部分をミニチュア模型で確認することにより、設計者と建てる人のイメージを共有することが可能になります。

プレゼンテーション模型

建築を依頼したクライアントに見せるための模型です。住宅の購入者や施設の代表者などのクライアントが、建物を強くイメージできるように「スタディ模型」よりも詳細に作ることが一般的です。建物だけでなく、周辺の景観まで再現することも多くあります。

展示用模型

展示目的で作られるミニチュア模型のことです。これから建設される施設などを多くの人に見てもらうことが目的なので「プレゼンテーション模型」よりもさらに細かく作成されます。壁の色や細かい構造まで実際の建物そっくりに再現されるため、ほかの模型に比べて制作期間がかかるのが特徴です。

建築模型士になる方法

建築模型士になる方法としては、建築学科などの学校で学び、建築系の企業に就職して経験を積んでから建築模型士になるのが一般的です。意外に思う方も多いかもしれませんが、建築模型士に資格は必要ありません。しかし、設計図などからミニチュアの建物を正確に作るので、かなり高い技術が必要になります。

そもそも勉強していなければ図面を読むことすらできません。最近では、大学や専門学校に通わず通信講座で学んでから建築模型士になる人も増えています。

また、設計事務所やハウスメーカーには建築模型士としてだけ働いている人はほとんどいません。多くの場合、営業職や建築士が模型まで製作しているというケースが多いです。

もし建築模型士としてだけ働きたいのであれば、ハウスメーカーなどで経験を積んで独立するかアルバイトや副業として働くという選択肢があります。アルバイトや副業であれば、建築模型士を募集している企業も存在するので、検索してみてもよいでしょう。

当然のことですが、副業として働くとしても設計図を読んで精巧な模型を作り上げるという高い技術が必要になるので、知識や技術の習得は必須になります。

建築模型士に向いている人の特徴

建築模型士は、特殊な技術を必要とする職業です。それでは実際にどのような人が建築模型士に向いているのでしょうか。ここでは、その特徴についてご紹介します。

手先が器用でコツコツと作業することが好き

建築模型士は、細かく繊細な作業が多いので手先が器用な人が向いています。また、模型を作る作業は長時間になるため、手先が器用なだけでなく細かい作業を黙々と長い間できる人でないと建築模型士を続けていくことは難しいでしょう。

コミュニケーション能力が高い

建築模型士は、高いコミュニケーション能力が必要です。前述のとおり、作る模型は目的によってさまざまです。クライアントや設計士など、模型を見せる人や見せるタイミングによって作る模型の種類は変わります。

見せる相手の要望に合わせて模型を作る必要があるので、建築模型士になる上で相手のリクエストを汲み取る高いコミュニケーション能力は必須といえるでしょう。

建築模型士の働き方

自分のライフスタイルに合わせて、働き方を変えられるのも建築模型士のメリットといえます。ここでは、建築模型士の働き方についてまとめていきます。

正社員として設計事務所などに就職する

建築模型士として働くもっともポピュラーな方法が、会社に就職して働くという方法です。設計事務所や建築事務所が一般的ですが、工務店やハウスメーカーなども就職先としては人気があります。大手のハウスメーカーなどは住宅の建築だけでなく、大型商業施設の建築もするため、募集している建築模型士の数は多いです。

フリーランスとして働く

最近では、フリーランスとして働く人も増えてきています。過去に設計事務所で働いていた方が独立するケースや、講座などを受講し技術を身につけた方など経歴はさまざまです。フリーランスで働く人も中には、普段は建築関係とは関係のない仕事をしている方もいます。

まとめ

建築模型士は、副業やアルバイトとしても人気の職業です。資格が必要ないため、技術さえ身につければ働くことができるというのも建築模型士の魅力といえるでしょう。

また、建築模型士はプラモデルなどを作ることが得意でコツコツと作業することが好きな方に向いています。建築模型士に興味のある方は受講可能な資格講座を調べることをおすすめします。

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